
みなさま、こんにちは。中小企業診断士の赤城正孝です。
当サイトの書評では、各書籍から特に重要な考えを一つ取り上げ、実践方法や成功例を交えながら、中小企業の成長につながる気づきを発信しています。
本日は、こちらの一冊を取り上げます。
書籍情報
書籍名: 正しい「働き方」はどっち?
著者名: 福田 裕史
ジャンル: 人材育成
著者の福田裕史氏は、長年の金融機関での勤務経験を活かし、現在はスタートアップ企業への伴走型経営支援、中小企業の資金調達および財務健全化支援を中心に精力的に活動されています。
その専門性は多岐にわたり、特定社会保険労務士および中小企業診断士という二つの国家資格を有していらっしゃいます。現場での豊富な経験と専門知識に基づいた視点は、本書全体を通して深く、説得力があります。
書籍概要
本書は、社会人としてのキャリアをスタートさせたばかりの若い新入社員を主な読者層として想定し、働く上で不可欠となる労働基準法や社会保険制度に関する基礎的なルールを分かりやすく解説した書籍です。
労働時間、休憩、休日といった全労働者が理解しておくべき基本的な規則から、近年注目度が高まっている社会保険制度の仕組み、さらには給与や税金に関する知識まで、新入社員がスムーズに社会人生活を送るために必要な情報が網羅されています。
イラストや図解も豊富に用いられており、難解な法律用語も平易な言葉で解説されているため、法律に馴染みのない読者でも無理なく読み進めることができるでしょう。
新入社員研修の教材としても非常に有益な一冊と言えます。
教育訓練給付制度の活用
本書の中でも重要なポイントの一つとして紹介したいのが「教育訓練給付制度」です。
これは、働く方々の主体的な能力開発の取り組みを支援するため、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を修了した場合に、その受講費用の一部が支給される公的な制度です。
本書で触れられている簿記検定、ITパスポート、FP(ファイナンシャルプランナー)などの資格取得講座もこの制度の対象となっています。
従業員の自発的なリスキリングを促進するだけでなく、企業が従業員のスキルアップを図る上でも、この制度を有効活用することは大きなメリットとなります。
制度の詳細な内容や申請方法については、厚生労働省のウェブサイトなどで確認することをおすすめします。
すぐにできるアクションプラン
せっかく国や自治体が提供している有益な制度ですので、活用しない手はありません。
教育訓練給付金制度をはじめとする各種支援制度を積極的に活用し、従業員の能力開発を後押しすることで、結果的に自社の競争力強化につなげましょう。
まずは、自社の従業員が興味を持ちそうな資格取得やスキルアップに関する情報を収集し、制度と合わせて周知することから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ:新入社員への働き方の基礎知識の伝達には本書が最適
正しい「働き方」はどっち?は、新入社員が社会人として知っておくべき基本的なルールを網羅的に解説しており、職場へのスムーズな適応をサポートしてくれる一冊です。
新入社員研修のテキストとしてだけでなく、若手社員の自己学習用教材としても大変役立つでしょう。
企業の人事担当者や教育担当者の方々にも、ぜひ手に取っていただきたい書籍です。