
みなさま、こんにちは。中小企業の社外番頭 赤城正孝です。
当サイトの書評では、各書籍から特に重要な考えを一つ取り上げ、実践方法や成功例を交えながら、中小企業の成長につながる気づきを発信しています。
書籍と著者紹介
書籍名: 経営計画は利益を最初に決めなさい!
著者名: 古田土 満 氏
ジャンル: 経営計画立案
著者の古田土満氏は、税理士法人古田土会計グループの創業者で、中小企業の経営支援に尽力してきた著名な公認会計士・税理士です。
独自の「古田土式月次決算書」を開発し、中小企業の経営支援に特化したサービスを展開しています。
また、今回ご紹介する書籍以外にも、中小企業経営の参考になる書籍を複数執筆されています。
経営計画の立案方法が具体的に理解できる
中小企業の経営者の方で、「売上目標は達成したのに、なぜか利益が残らない…」という悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか? 実は、利益の構造を正しく理解していないために、非現実的な目標設定をしてしまっているケースが少なくありません。
利益の構造を理解し、適切な売上・利益目標を設定することは、企業の安定的な成長に不可欠です。
本書『経営計画は利益を最初に決めなさい!』では、そのための具体的な方法がわかりやすく解説されています。
私は、これまで多くの企業の経営計画策定を支援してきました。本書で紹介されている手法は、実際に私が現場で活用しているものも多く、その効果は実証済みです。
本書を読むことで、根拠のある目標設定ができ、利益を確保できるようになり、ひいては事業の安定的な成長に繋がるでしょう。
書評
本書において、経営計画の作り方は具体的には3ステップに分けられるとされています。具体的には①現状分析、②利益計画を作る、③販売計画を作る、です。
その一つ一つに対して具体的な手順が記載されています。
特に①現状分析の第一ステップとして、売上高、粗利益率、固定費の推移を読むについては、必ず実施したい項目であります。
多くの経営者にとって、どんぶり勘定での経営から脱却し、数値に基づいた経営を行うための第一歩となるでしょう。
本書では、具体的な事例や図解を用いて、これらのステップが丁寧に解説されています。そのため、経営計画の作成に慣れていない方でも、無理なく読み進めることができます。
すぐに実践できる具体的なアクションプラン
まずは自社の直近3年分の売上高、粗利益率、固定費の推移を把握しましょう。どこに問題点があるのかを明確にすることで、改善の打ち手を考えられるようになります。
この分析を行うことで、
- 売上高は伸びているのに利益が伸び悩んでいる原因
- 粗利益率が低い原因
- 固定費が過剰にかかっている部分
などを具体的に把握することができます。
例えば、売上高が伸びているのに利益が伸び悩んでいる場合、粗利益率が低いか、固定費が過剰にかかっている可能性があります。
粗利益率が低い場合は、仕入価格の見直しや販売価格の調整などを検討する必要があります。固定費が過剰にかかっている場合は、無駄なコストを削減する必要があります。
具体的なアクションプランとしては、
- 直近3年分の損益計算書を用意する
- 売上高、粗利益率、固定費の推移をグラフで可視化する
- 各項目の変動要因を分析する
- 問題点を特定し、改善策を検討する
これらのステップを踏むことで、自社の経営状況を客観的に把握し、具体的な改善策を講じることができます。
本書を参考に、ぜひ自社の経営計画を見直してみてください。