デジファースト東京は補助金申請の前に使いたい東京都の無料支援

デジファースト東京を補助金申請前の無料支援として伝える企業向けアイキャッチ画像

デジタル化したい気持ちはあるのに、何から着手すべきか決まらない。会計、勤怠、顧客管理、Web集客、AI活用まで論点が広がり、ツール選びだけ先に進めると失敗しそう。中小企業の現場では、この状態で止まることが珍しくありません。

そんな会社に合いやすいのが、東京都のデジファースト東京です。これは補助金そのものではなく、都内の中小企業や個人事業主に対して、専門家が無料でデジタル化の整理と導入支援を行う東京都公式の事業です。いきなりツールを買う前に、課題整理と進め方の設計を支援してもらえる点が大きな特徴です。

特に、補助金を探す前に、そもそも自社に何が必要かを整理したい会社には相性があります。この記事では、デジファースト東京を企業向けに整理し、どんな会社が使いやすいのか、逆にどんな場面では別の進め方がよいのかをまとめます。基準日は2026年6月2日です。

目次

先に結論

デジファースト東京を先に検討したい企業の5つの特徴を示した図
デジファースト東京を先に検討したい企業の5つの特徴

デジファースト東京を先に検討した方がよい会社には、次の特徴があります。

![デジファースト東京を先に検討したい企業の5つの特徴を示した図](imgs/02-inline-5-points-digital-first-tokyo.png)

  • デジタル化の必要性は感じているが、何を導入すべきか決まっていない
  • 補助金や助成金を探す前に、業務課題を整理したい
  • 社内にIT担当者や推進役がいない
  • ツールを入れても現場で定着するか不安がある
  • 単発の機器購入ではなく、業務全体の見直しから進めたい

要点はシンプルです。デジファースト東京は、資金を直接受け取る制度ではなく、デジタル化の最初の設計を無料で支援してもらう仕組みです。補助金申請の前に使うことで、必要なツール、導入順序、社内体制を整理しやすくなります。

デジファースト東京の骨子を短く押さえる

東京都公式サイトでは、デジファースト東京は中小企業デジタル化ファーストステップ支援事業として案内されています。都内に事業所を持つ中小企業・小規模事業者、個人事業主を対象に、専門家によるデジタル化診断とデジタルツールの活用支援を行う事業です。

案内ページで押さえておきたい事実は次のとおりです。

  • 東京都公式の事業である
  • 対象は都内に事業所を持つ中小企業・小規模事業者、個人事業主
  • みなし大企業は対象外
  • 支援は無料
  • 一般コースと機器トライアル導入コースの2コースがある
  • 一般コースは訪問またはオンラインで支援可能
  • 機器トライアル導入コースでは、パソコンを最大5か月間無料貸出しし、会計管理ツールや勤怠管理ツール等も体験できる
  • 支援の終了時には、補助金活用を含む関連事業の案内も受けられる

つまり、この事業の価値は、いきなり導入を迫られないことにあります。まず課題を整理し、そのうえで必要なツールや関連制度につなげる構造です。自社だけで判断すると遠回りしやすい会社ほど使いやすいです。

どんな会社が使いやすいか

何をデジタル化すべきかが決まっていない会社

最も相性がよいのは、デジタル化したいが着手点が曖昧な会社です。

よくあるのは、社長の頭の中では、勤怠、給与、会計、請求、顧客管理、Web集客が全部つながっているのに、現場ではどこから手を付けるべきか決まっていない状態です。この段階で個別ツールの比較に入ると、導入の順番を間違えやすくなります。

デジファースト東京では、まず課題の掘り下げと整理を行ったうえで、状況に応じたデジタルツールの提案まで支援すると案内されています。何を買うかより先に、何を解決するかを整理したい会社に向いています。

補助金より先に課題整理が必要な会社

補助金や助成金を探し始めるのが早すぎる会社もあります。

例えば、会計ソフトを替えたい、勤怠管理を入れたい、CRMも気になる、AIも使いたいという相談は多いですが、この状態では制度選びより先に優先順位づけが必要です。課題整理が甘いまま補助金を探すと、自社に合わない制度やツールに引っ張られます。

補助金の活用も視野に入れるなら、まず自社の現状を整理し、そのうえで必要な関連事業につなげる方が合理的です。導入候補の整理だけでなく、自社の運用まで含めて考えたい場合は、弊所のデジタル化支援のような実務導線もあわせて確認しておくと判断しやすくなります。

ツールを入れても定着するか不安な会社

導入前の混線した業務と導入後の整理された業務フローを対比した図
導入前に整理し、導入後の定着まで見据えるイメージ

導入判断より難しいのが、導入後の運用です。

![導入前の混線した業務と導入後の整理された業務フローを対比した図](imgs/03-inline-before-after-digital-first-tokyo.png)

現場で入力されない、担当者しか使えない、紙運用が残る、結局Excelに戻る。この失敗は、ツールの性能だけでは防げません。業務フローや担当者の役割、運用ルールまで見ないと定着しません。

デジファースト東京は、単なる製品紹介ではなく、活用支援まで含んでいる点が重要です。導入前に体験や整理の機会があるだけでも、失敗コストは下げやすくなります。特に、社長一人で導入判断を抱えている会社は、第三者の整理が入る価値があります。

社内に推進役がいない会社

中小企業では、デジタル担当者を専任で置けないことが普通です。

その結果、総務、経理、現場責任者、社長がそれぞれ別の困りごとを持ったまま、全体最適の判断が遅れます。こういう会社では、最初の壁は予算より推進役不在です。

デジファースト東京では、デジタル化支援の実務経験と支援実績を持つ専門家が対応すると案内されています。社内で整理役がいない会社ほど、外部の伴走支援を使った方が前に進みやすいです。

機器購入より業務の見直しを優先したい会社

パソコンの買い替えやソフトの追加だけで、経営課題が解決するとは限りません。

本当に必要なのが、入力の二重化解消なのか、請求の遅れ改善なのか、顧客管理の見直しなのかで、打つべき手は変わります。単発の購入判断より、業務全体の流れを見直したい会社の方が、この事業の価値を受け取りやすいです。

特に、会計や勤怠だけでなく、受発注や顧客管理まで整理したい場合は、単独ツール導入より全体設計を先に固めた方が無駄が出ません。補助金を使った投資テーマまで広げるなら、東京都創意工夫チャレンジ促進事業の見方のように、設備や新サービスを含めた選択肢も比較しておくと判断しやすくなります。

逆に急いで使わなくてよいケース

一方で、どの会社にも最適とは限りません。

例えば、導入したいツールが既に明確で、ベンダー比較も終わっており、社内責任者も決まっているなら、外部診断から入らなくても進められることがあります。あるいは、すでに具体的な補助金申請の準備段階に入っていて、投資計画や見積も固まっているなら、課題整理より申請実務を優先した方がよい場面もあります。

要するに、デジファースト東京は、迷っている会社、止まっている会社、整理不足の会社に向く制度です。逆に、進め方が既に固まっている会社では、別の支援の方が合うことがあります。

相談前に整理しておくと話が早いこと

申し込む前に、次の4点を簡単に整理しておくと支援の密度が上がります。

  • 今いちばん手間がかかっている業務は何か
  • 紙、Excel、口頭運用のどこに詰まりがあるか
  • 今年中に改善したい業務は何か
  • 社内で誰が導入後の運用責任を持つか

この4点があるだけで、単なる情報収集で終わりにくくなります。課題が曖昧な会社ほど、社内で一度言語化してから申し込んだ方が、支援内容を使いこなしやすいです。

FAQ

デジファースト東京は補助金ですか

いいえ。案内ページ上では、専門家によるデジタル化診断と活用支援を行う事業です。資金給付そのものではありません。

費用はかかりますか

本事業の支援は無料と案内されています。ただし、提案されたツールを実際に契約して利用する場合の利用料等は事業者負担です。

どんな会社が対象ですか

都内に事業所のある中小企業・小規模事業者、個人事業主が対象です。みなし大企業は対象外です。

オンラインでも相談できますか

一般コースでは、都合に応じて訪問またはオンラインでの支援が可能と案内されています。機器トライアル導入コースは原則訪問支援です。

補助金の相談もできますか

案内ページでは、支援終了時に希望に応じて補助金活用を含む関連事業を案内するとされています。補助金ありきで入るというより、課題整理の結果として適切な制度につなげる流れと理解した方が実態に合います。

デジタル化の進め方を整理したい企業様へ

自社に何が必要かを整理しないままツール導入を進めると、コストだけが先に出やすくなります。会計、勤怠、給与、顧客管理、Web活用まで含めて、どこから着手するのが妥当かを整理したい場合は、東京都の支援策を使う前提も含めてご相談いただけます。

弊所では、労務、経営、ITの実務をまたいで、制度の読み取りだけでなく、導入後の運用まで見据えた整理を行っています。自社に合う進め方を先に固めたい場合は、お問い合わせください。

お問い合わせはこちら: https://bizally.jp/contact/

参考: 中小企業デジタル化ファーストステップ支援事業

この記事を書いた人

人事労務のデジタル支援パートナー。経営者の「時間が足りない」という課題を解決する専門家で、経営者が将来を見据えた舵取りに専念できる時間を創出する仕組みづくりを得意としています。企業内部に深く入り込み、共に汗を流しながら課題解決に取り組むスタイルが特徴です。社会保険労務士・中小企業診断士・ITコーディネータ・医業経営コンサルタント

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