東京都創業助成金は誰が対象か。申請前に先に確認したい4つの条件

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基準日: 2026年6月18日

一次情報: TOKYO創業ステーション 創業助成事業案内ページ、令和8年度第2回創業助成事業募集要項 2026年6月16日公開

東京都創業助成金を調べ始めたとき、最初に見たくなるのは上限400万円という金額かもしれません。ですが、実際に手が止まりやすいのは金額より前です。自社が申請できる立場に入るか、指定の創業支援をすでに受けているか、出したい経費が制度に合うか、この3点が曖昧だと申請書づくりまで進みません。

東京都の創業助成事業は、都内で創業予定の個人や、創業後5年未満の中小企業者等に向けた制度です。賃借料、広告費、器具備品購入費、従業員人件費、市場調査・分析費など、創業初期に出やすい費用の一部を助成してもらえます。ただ、誰でもすぐ申請できる制度ではありません。

この記事では、事業者向けに東京都創業助成金の見方を整理し、申請前に先に確認したい条件を4つに絞ってまとめます。創業計画はあるが、出せるかどうかの入口で迷っている方は、ここから確認した方が早いです。

目次

先に結論

東京都創業助成金の申請前に確認したい4条件を整理した図
東京都創業助成金の申請前に確認したい4条件

東京都創業助成金を検討するなら、先に見るべき点は次の4つです。

  • 都内で創業予定、または創業後5年未満の立場に入るか
  • 指定された創業支援事業の利用実績があるか
  • 申請したい経費が制度の対象で、金額の下限100万円を組めるか
  • 電子申請の準備、GビズID、交付決定までの資金繰りに無理がないか

この4点が整理できていれば、出せる制度か、まだ準備段階かをかなり早く分けられます。逆に、創業支援の利用歴がない、経費の中心が委託費だけ、交付決定前に資金がもたない、という状態なら、申請書より先に計画の組み直しが必要です。

1. まず、自分が申請できる立場に入るかを見る

最初に見るべきなのは、何に使いたいかより、自分が申請対象に入るかです。

募集要項では、都内で創業を具体的に計画している個人、または法人設立登記や開業届から5年未満の法人代表者・個人事業主などが対象です。個人開業医による病院や診療所での医業としての申請、みなし大企業、個人事業主や法人代表者として通算5年以上の経営経験がある方は対象外です。

ここで見落としやすいのが、単に都内住所があるだけでは足りない点です。法人なら都内に本店等が実在し、都内で実質的に事業を行っていること、個人事業主なら納税地と主たる事業所等が都内にあり、そこで実質的に事業を行っていることが求められます。登記だけ先にして実態がまだないケースは、この段階で引っかかりやすいです。

2. 指定の創業支援事業を使っているかを先に確認する

創業支援の利用から証明確認、申請準備までの流れを示した図
創業支援の利用から証明確認、申請準備までの流れ

この制度で特に詰まりやすいのがここです。創業予定者や創業5年未満であっても、それだけでは申請できません。

募集要項では、申請要件2として、指定された23の創業支援事業のいずれかを利用していることが必要です。たとえば、TOKYO創業ステーションのプランコンサルティング、認定特定創業支援等事業による区市町村長の証明、東京都中小企業制度融資の創業融資、女性・若者・シニア創業サポート事業2.0などが挙げられています。

ここは、知っている制度名があるかではなく、自分が証明を出せる状態かで見た方が早いです。相談の場では、支援メニューを受けた記憶はあるが、いつ、どの事業で、どの証明を取れるのかが曖昧なまま止まることがあります。申請前には、利用した支援名、利用時期、証明の有無を1枚に整理しておくと、無駄な往復を減らせます。

案内ページでも、申請要件2を満たすには概ね3か月以上かかると明記されています。ここがこの制度の分かれ目です。創業直前になって初めて助成金を調べた方は、事業計画があっても今回募集に間に合わないことがあります。まだ事業計画の整理が浅い段階なら、先にデジファースト東京は補助金申請の前に使いたい東京都の無料支援のような東京都の別支援を読み、何にお金をかけるのかを整えてから創業支援メニューへ入る方が現実的です。

3. 経費の出し方が制度に合うかを見る

申請できる立場に入っていても、経費の組み方が制度に合わないと通りません。

案内ページと募集要項で確認できる助成対象経費は、賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費、市場調査・分析費です。助成率は3分の2以内、助成限度額は上限400万円、下限100万円です。

ここで先に押さえたいのは3点です。1つ目は、委託費だけでは組めない点です。委託費の上限は100万円ですが、事業費を助成対象経費として申請する必要があります。2つ目は、事業費と人件費を合わせた助成金の上限が300万円で、委託費は別枠で100万円までという点です。3つ目は、助成金は後払いなので、対象経費をいったん自社で出せる前提がいる点です。

たとえば、物件を借りる、広告を出す、レジやPCを買う、スタッフを雇う、商圏調査を外注する。この順に並べると対象に見えやすくても、実際にはどの費用が事業費で、どこまでが委託費で、助成対象期間内に支出できるかを分けて見直す必要があります。見積書を集める前に、費目ごとの整理表を作った方が後で崩れにくいです。

従業員人件費を入れたい場合は、創業と同時に雇用の準備も走ります。最初の一人を雇う段階なら、ひとり社長の限界突破。最初の一人を雇うための法的手続きと心理的ハードルの超え方も先に見ておくと、助成金の話と雇用手続きの話を分けて整理しやすくなります。

4. 締切より前に、申請準備と資金繰りがもつかを見る

後払い前提で自己資金と支出予定を確認する資金繰り図
後払い前提で確認したい資金繰りの流れ

今回の第2回募集は、2026年9月29日10時から10月8日23時59分までです。申請はJグランツによる電子申請のみで、窓口持参、郵送、電子メールでは受け付けられていません。GビズIDプライムが必要で、案内ページでは発行に審査で2週間程度かかる場合があるとされています。

募集要項では、交付決定日は2027年3月1日予定、助成対象期間は交付決定日から6か月以上最長2年です。つまり、秋に申し込んですぐ入金される制度ではありません。設備購入や人件費の支払いを助成金受領前に持ちこたえられるかまで見ないと、出した後に苦しくなります。

創業初期は、物件、採用、広告、システム導入が同時に動きやすい時期です。制度上は出せても、実務上は資金繰りに無理がある計画は避けた方が安全です。締切直前に申請書を仕上げるより、交付決定までの運転資金を含めて組んだ方が失敗しにくいです。

相談前に整理しておきたい6点

東京都創業助成金を使えるか相談したいときは、次の6点を先にメモしておくと話が早いです。

  • 創業前か、創業後何年か
  • 法人設立日または開業届提出日
  • 使った創業支援事業の名称
  • 何にいくら使いたいか
  • 自己資金と交付決定前に出せる資金の目安
  • 従業員を雇う予定があるか

この6点があるだけで、対象外なのか、要件2が足りないのか、経費設計を直すべきかが見えやすくなります。資料を集め切ってから相談するより、この段階で一度整理した方が判断は早いです。

創業初期の費用計画を整理したい方へ

東京都創業助成金は、金額だけ見ると魅力があります。ただ、実際には、誰が出せるか、どの準備が先か、いつ資金が入るかを順番に見ないと使いにくい制度です。

弊所では、創業時の人件費、労務、資金計画、IT導入まで含めて、どこから着手するかを整理できます。東京都の支援制度を前提に、今回申請を目指すべきか、先に別の支援で土台を固めるべきか迷う場合はご相談ください。

FAQ

創業前でも申請できますか

できます。募集要項では、都内で創業を具体的に計画している個人も対象に含まれています。

創業5年未満なら誰でも申請できますか

できません。創業後5年未満でも、指定の創業支援事業の利用など申請要件1から4をすべて満たす必要があります。

申請要件2はすぐ満たせますか

難しいことがあります。案内ページでは、申請要件2を満たすには概ね3か月以上かかるとされています。

市場調査だけで申請できますか

その形では進めにくいです。委託費の上限は100万円で、事業費を助成対象経費として申請する必要があります。

助成金はいつ入りますか

申請後すぐではありません。募集要項では交付決定日は2027年3月1日予定とされ、助成金は後払いです。交付決定前と実施中の資金繰りも見ておく必要があります。

この記事を書いた人

人事労務のデジタル支援パートナー。経営者の「時間が足りない」という課題を解決する専門家で、経営者が将来を見据えた舵取りに専念できる時間を創出する仕組みづくりを得意としています。企業内部に深く入り込み、共に汗を流しながら課題解決に取り組むスタイルが特徴です。社会保険労務士・中小企業診断士・ITコーディネータ・医業経営コンサルタント

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